コラム
2025年09月20日
海外住宅に学ぶ!暮らしを豊かにする収納の考え方と実践

注文住宅を検討する際に、多くの方が気にされるのが「収納計画」です。
広いリビングや最新の設備に目が行きがちですが、実際の暮らしを快適にするためには「適材適所に収納があること」がとても大切です。どれだけ素敵な空間でも、物が片付かず散らかってしまえば、住まい全体が窮屈に感じられてしまいます。
一方で、海外の住宅を見てみると、収納が住まいの「裏方」ではなく、空間を引き立てるデザインの一部として組み込まれているケースが多く見られます。
ウォークインクローゼットやキッチンパントリー、玄関の土間収納などはもちろん、リビングや書斎に造作棚を組み合わせて「見せる収納」と「隠す収納」を上手に使い分けているのです。
この記事では、海外住宅の収納の考え方をヒントに、日本の注文住宅に取り入れられるアイデアや実践方法を整理してご紹介します。
収納にこだわった間取りやゾーニングを検討している方に、ぜひ参考にしていただきたい内容です。
注文住宅における収納計画の重要性
注文住宅は自由度が高いからこそ、暮らしやすさを左右するのが収納計画です。
分譲住宅や建売住宅の場合、収納はある程度「標準仕様」で設計されていますが、実際に暮らし始めてみると「思ったより物が収まらない」「必要な場所に収納がない」と感じることも少なくありません。
その点、注文住宅では「どこに、どれくらい、何をしまうか」を具体的に考え、生活動線や家族構成に合わせて収納を設計することができます。
たとえば、玄関にはアウトドア用品やベビーカーを収める土間収納、キッチンには日用品をまとめられるパントリー、寝室にはウォークインクローゼットといった具合に、適材適所で配置できます。
収納が不足していると、リビングに物が溢れたり、片付けが後回しになって雑然とした印象になったりと、日常生活のストレスにつながります。
逆に、適切な収納があることで「モノが片付く→空間が広く感じられる→家族全員が快適に暮らせる」という好循環を生み出せるのです。
また、収納計画は単なる「物をしまうスペース」ではなく、家全体のゾーニング設計にも直結します。
適切に収納を組み込むことで、空間の使い方や家事動線がよりスムーズになり、暮らしの質を大きく向上させることができます。
海外住宅に学ぶ収納の基本的な考え方
日本の住まいでは「限られた空間にどう収納するか」が大きな課題になりがちですが、海外の住宅では収納そのものを「生活を快適にするためのデザインの一部」として位置づけるケースが多く見られます。
収納は単なる物置きではなく、暮らしを豊かにする工夫のひとつなのです。
1. ウォークインクローゼットやパントリーの充実
海外住宅では、各部屋にクローゼットを設けるだけでなく、衣類専用のウォークインクローゼットや食材や調理器具を一括管理できるパントリーが一般的です。
これにより「物を見せない収納」が実現し、生活空間をすっきりと保つことができます。
2. ビルトイン収納の考え方
壁面収納や造作棚といった「ビルトイン収納」が多用されるのも特徴です。
家具を増やさずに収納スペースを確保するため、空間が広く見えると同時に、インテリア全体に統一感が生まれます。
3. 生活シーンに合わせたゾーニング
海外住宅では、収納を単なる“隙間に設けるもの”ではなく、生活の動線や行動パターンに合わせて計画します。
玄関にはシューズクローク、リビングには家族共用の収納棚、ガレージにはアウトドア用品の専用スペースなど、「使う場所に使う物を置く」という発想が徹底されています。
4. 「見せる収納」と「隠す収納」のバランス
オープンシェルフにお気に入りの本や雑貨を飾る「見せる収納」と、生活感を隠す「隠す収納」をバランスよく組み合わせることも大切です。
デザイン性と実用性を両立させることで、日常の中に“楽しさ”が生まれます。
5. 家族のライフスタイルに合わせて変化する収納
海外では「子どもが成長したら学習机の横に収納を追加する」「夫婦だけの暮らしになったら趣味のコレクションを飾るスペースに変える」など、ライフステージに合わせて収納の使い方を変化させる柔軟さも重視されています。
これは自由設計の注文住宅でも大いに参考になる考え方です。
注文住宅で取り入れたい収納アイデア
注文住宅の大きな魅力は「自分たちの暮らしに合った収納」を一から計画できる点にあります。
既製住宅ではなかなか叶わない、生活スタイルに合わせた収納計画を盛り込むことで、日常がぐっと快適になります。ここでは実際に役立つ収納アイデアをご紹介します。
1. 玄関まわりのシューズクローク
靴だけでなく、傘やベビーカー、アウトドア用品などもまとめて収納できるシューズクロークは、玄関をすっきり保つ鍵となります。
動線を考え、玄関からそのまま室内へ入るルートと、収納を通って片付けを済ませてから室内に入るルートを設けると機能性が高まります。
2. キッチン横のパントリー
食材や調理器具、非常食のストックを一括管理できるパントリーは、日々の家事効率を大きく高めます。
オープン棚と引き出し収納を組み合わせると、探しやすく出し入れもスムーズです。海外住宅のように広めに設ければ、家事ストレスも軽減されます。
3. 階段下のデッドスペース活用
狭小地やコンパクト住宅では、階段下スペースの活用が重要です。
本棚や収納庫として使うだけでなく、ペットスペースや小さなワークスペースとしても工夫できます。こうした「余白の空間」を活用するアイデアは、注文住宅ならではの自由度です。
4. リビングに造作収納
家族が集まるリビングは、どうしても物が集まりがちです。
テレビボードや壁面収納を造作で組み込めば、見せる収納と隠す収納のバランスを保ちながら、空間をすっきりと演出できます。造作棚はインテリアデザインとの統一感も出しやすいのがメリットです。
5. ウォークインクローゼット
衣類を一括管理できるウォークインクローゼットは、夫婦それぞれの収納スペースを設けることで使いやすさが格段にアップします。
注文住宅なら、あえて寝室から独立させた場所に設けて“ファミリークローゼット”として使うのもおすすめです。
6. 水まわりのランドリースペース収納
洗剤やタオル、下着や衣類をまとめて収納できるスペースを洗面脱衣所に設ければ、家事動線が短縮されます。
海外住宅に見られる「ランドリールーム」を取り入れる発想は、忙しい共働き世帯にも人気です。
7. 趣味や在宅ワークの専用収納
ギターやスポーツ用品、在宅ワーク用の資料など、趣味や仕事に必要な物を「専用の収納スペース」にまとめることで、生活空間が乱れにくくなります。
コンパクトな家でも、こうした“用途別の収納”を盛り込むことで暮らしやすさが格段に向上します。
断捨離やミニマリズムとの付き合い方
近年「断捨離」や「ミニマリズム」という考え方が広まり、必要最小限のモノだけを持つ暮らしが注目されています。
確かに物を減らせば空間が広く使え、心地よさや整理整頓のしやすさも増します。しかし、現実の暮らしでは「モノをゼロにする」ことは難しく、日常に必要な収納を軽視すると、すぐに散らかってストレスにつながってしまうことも少なくありません。
注文住宅の収納計画では、こうした「モノを減らしたい」という意識と「必要な収納を確保する」ことのバランスが大切です。
例えば、リビングには日常的に使うものを手の届く範囲に、季節ごとの家電や衣類は別の収納スペースにまとめるなど、「適材適所」の仕組みを作ることで、無理にモノを減らさなくても快適な暮らしを維持できます。
また、海外住宅では「見せる収納」と「隠す収納」を上手に使い分ける工夫が多く見られます。
お気に入りのインテリア雑貨や本はディスプレイ棚に置き、日常的な小物やストックは扉付きの収納へ。断捨離の考えを取り入れつつ、ミニマリズムを「片付けやすさ」と「デザイン性」に反映させると、ストレスのない住まいが実現できます。
海外様式の住まいと収納の相性
輸入住宅に代表される海外様式の住まいは、収納に対しても独自の考え方を持っています。
例えばアメリカの住宅では「ウォークインクローゼット」や「パントリー」が標準的に備えられ、衣類や食材をまとめて収納できる大容量空間が一般的です。日常のモノを一箇所に集約するスタイルは、広い住まいに限らず、動線を短縮して暮らしやすさを高める工夫としても有効です。
一方、ヨーロッパの住宅は「家具を使った収納文化」が根強く、造り付けのクローゼットだけでなく、キャビネットやチェストを組み合わせてインテリアとして楽しむ傾向があります。
日本でも輸入住宅のデザインに合わせて、見せる収納家具を採り入れると、住まい全体の統一感や雰囲気を高められるでしょう。
さらに北欧住宅では、シンプルな間取りに対して「収納を壁面に組み込む」発想が多く見られます。
限られた空間を効率よく使いながら、余計な家具を置かずに広がりを演出できるのが特徴です。
このように海外様式と収納は相性がよく、それぞれの文化やライフスタイルを参考にすれば、注文住宅ならではのオリジナルな収納計画が実現できます。
注文住宅で収納計画を成功させる3つのポイント
1. 家族のライフスタイルを基準に考える
収納は「多ければ便利」というものではありません。どのような生活スタイルを送っているかを基準に、必要な場所に必要なだけ確保することが重要です。
たとえば共働き世帯なら、帰宅してすぐにバッグやコートを置ける玄関収納が役立ちますし、料理が好きなご家庭ならパントリーを広めにとると暮らしやすさが格段にアップします。
2. 見せる収納と隠す収納をバランスよく
すべてを隠そうとすると圧迫感が出たり、逆に「見せる収納」に偏りすぎると生活感が強調されすぎてしまいます。
リビングやキッチンの一部にはインテリア性を意識した見せる収納を取り入れつつ、日用品や雑多なモノはクローゼットや収納庫に収める。このバランスが、すっきりと快適で豊かな住まいをつくります。
3. 将来の変化も見据えて設計する
収納計画は現在の暮らしだけでなく、将来のライフスタイルの変化にも対応できるように考えておくことが大切です。
子どもの成長や独立、趣味や仕事の変化など、収納の使い方は10年後・20年後に変わる可能性があります。
棚板の高さを変えられる可動棚や、用途を変えやすいマルチスペースを取り入れることで、長く快適に使える住まいになります。
まとめ
住まいをすっきりと広く、そして心地よく保つためには、間取りやデザインと同じくらい「収納計画」が大切です。
生活スタイルに合わせて適材適所に収納を設けること、見せる部分と隠す部分を上手に使い分けること、さらに将来の暮らしの変化まで見据えておくことが、失敗しない住まいづくりの秘訣です。
また、海外の住宅から学べる収納アイデアや、断捨離やミニマリズムを取り入れつつも必要な収納をしっかり確保する考え方は、日本の暮らしにも大きなヒントを与えてくれます。
収納を単なる「しまう場所」としてではなく、暮らしを豊かにする「住まいの一部」として考えることで、日々の快適さが大きく変わります。
ブリリアントホームでは、生活動線を考慮した使いやすい収納設計や、海外様式の住まいに合った収納提案を行っています。
将来のライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる自由設計で、長く快適に暮らせる家づくりをサポートいたします。
収納のことまでじっくり考えた注文住宅をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。