コラム
2026年02月21日
ハザードマップを見て終わりにしない。注文住宅だからできる土地探しと備え
導入部|自然災害が増える時代、土地選びはどう考える?
近年、豪雨や台風、大規模地震などのニュースを目にしない日はないと言っても過言ではありません。
「せっかく家を建てるなら、できるだけ災害の少ない土地に住みたい」――そう考えるのは、ごく自然なことです。
土地を探し始めると、多くの方がまず確認するのがハザードマップです。浸水想定区域や土砂災害警戒区域に入っていないかどうかをチェックし、「色が付いていないから大丈夫」と安心するケースも少なくありません。
しかし、ここで一つ大切なことがあります。
“災害がまったく起こらない土地”は存在しないという事実です。ハザードマップはあくまで「想定」であり、自然災害はその想定を超えることもあります。逆に、色が付いているエリアでも、十分な対策を講じることで安心して暮らせる住まいをつくることは可能です。
つまり重要なのは、「危険か安全か」という二択ではなく、リスクを正しく知り、そのうえでどう備えるかという視点です。
地名や古地図、地盤データを読み解き、土地の背景を理解すること。そして、注文住宅という自由度の高い家づくりだからこそできる“設計による備え”を考えること。
本記事では、ハザードマップの見方にとどまらず、土地選びで本当に確認すべきポイントと、注文住宅だから実現できる防災の考え方をわかりやすく解説します。
これから土地を探し、理想の住まいを建てたいと考えている方にとって、安心への第一歩となる内容です。
まず確認したい「ハザードマップ」の基本
土地探しを始めたら、最初に確認しておきたいのがハザードマップです。現在は多くの自治体がインターネット上で公開しており、自宅の候補地がどのような災害リスクを想定しているのかを簡単に調べることができます。
・ハザードマップで何がわかる?
ハザードマップでは、主に次のようなリスクが確認できます。
- 洪水による想定浸水深
- 土砂災害警戒区域・特別警戒区域
- 津波の想定浸水範囲(沿岸部)
- 液状化の可能性
- 高潮・内水氾濫のリスク
特に洪水ハザードマップでは、「浸水するかどうか」だけでなく、どの程度の深さまで水が来る想定なのかが重要なポイントです。50cmなのか、2mなのかによって、必要な対策は大きく変わります。
・ハザードマップの“落とし穴”
一方で、ハザードマップを過信しすぎるのも注意が必要です。ハザードマップは想定最大規模の災害を前提としているため、必ずしもその通りになるとは限りません。また、自治体ごとに作成時期や想定条件が異なり、更新が古い場合もあります。
さらに、「色が付いていない=安全」とは言い切れない点も重要です。ハザードマップに表示されていない小規模な河川や、局地的な内水氾濫などは反映されていないこともあります。
・見るべきは「色」だけではない
ハザードマップを見るときは、単に色分けされた区域を見るだけでなく、次の点も意識して確認しましょう。
- 土地の標高(周辺より低くないか)
- 近くに大きな河川や崖地がないか
- 避難場所・避難経路は確保されているか
- 周囲の地形(谷地形・窪地)
ハザードマップは、あくまで土地のリスクを“知るための第一歩”です。ここで終わらせるのではなく、次に「なぜこのリスクがあるのか」「どう対策できるのか」まで考えることが、後悔しない土地選びにつながります。
2. 地名と古地図にヒントがある
ハザードマップとあわせて確認しておきたいのが、「地名」と「古地図」です。
今は整備された住宅地であっても、その土地がもともとどのような地形だったのかを知ることで、見えにくいリスクが浮かび上がることがあります。
・地名に残る地形の記憶
日本の地名には、かつての地形や土地利用の痕跡が残っていることがあります。たとえば、次のような言葉が含まれる地名には注意が必要です。
- 「沼」「池」「谷」「沢」など水に関係する名称
- 「浜」「洲」「浦」など沿岸や水辺を示す名称
- 「新田」「埋立」など開発によって生まれた土地
- 「台」「丘」など高低差を示す名称
もちろん、地名だけで危険かどうかを断定することはできません。ただし、その土地がどのような歴史を持っているのかを知る手がかりにはなります。特に水に関連する地名は、かつて湿地や川だった可能性もあるため、地盤や浸水リスクの観点から確認しておきたいポイントです。
・古地図を確認する意味
現在の地図だけでは分からない情報も、古地図を見れば見えてくることがあります。明治・大正期の地図や航空写真を確認すると、かつて川や池だった場所、湿地帯だったエリアが分かる場合があります。
都市部では特に、旧河川や谷地形を埋め立てて造成された住宅地が多く存在します。表面上は整備されていても、地形の“記憶”は地盤特性として残ることがあるため、土地選びの重要な判断材料になります。
・盛土・切土の違いを知る
高台だから安心、とは限りません。造成地では、山を削った「切土」と、谷を埋めた「盛土」が混在しているケースがあります。
一般的に、切土は比較的安定しやすい一方、盛土は地盤改良が必要になることもあります。
同じ分譲地内でも、区画によって盛土と切土が分かれていることは珍しくありません。だからこそ、“見た目の印象”だけで判断しないことが大切です。古地図や造成履歴を確認し、その土地の成り立ちを理解することで、より納得感のある選択ができます。
土地は「今の姿」だけでなく、「これまでどう変わってきたか」を知ることが重要です。注文住宅を前提に土地を探すなら、こうした背景まで踏み込んで確認することが、安心への第一歩になります。
地盤調査データから読み解く「本当の強さ」
ハザードマップや古地図で土地の“履歴”を確認したら、次に意識したいのが地盤そのものの強さです。
家を長く支えるのは建物の構造だけではありません。どれだけ強い構造でも、地盤が弱ければ本来の性能を発揮できないからです。
・地盤調査でわかること
新築住宅を建てる際には、必ず地盤調査を行います。代表的なのはスウェーデン式サウンディング試験などで、以下のようなことが分かります。
- 地表からどの深さまで軟弱地盤が続いているか
- 建物を支える支持層の深さ
- 不同沈下のリスク
- 地盤改良の必要性
地盤改良が必要になれば、数十万円〜場合によっては100万円以上の追加費用が発生することもあります。
つまり、土地価格だけでなく「地盤の状態も含めた総予算」で判断することが重要です。
・近隣のボーリングデータも参考になる
実際に購入する前でも、周辺エリアの地盤傾向を調べることは可能です。国や自治体が公開している地盤情報やボーリングデータを確認すると、地域全体の地層の特徴が見えてきます。
ただし注意したいのは、同じ分譲地内でも地盤状況は異なることがあるという点です。数メートル違うだけで支持層の深さが変わることもあります。最終的には必ず個別の地盤調査が必要になります。
・「強い地盤」とは何か?
「強い地盤」とは、単純に硬いという意味ではありません。地震時に安定しやすいこと、液状化の可能性が低いこと、不同沈下が起きにくいことなど、総合的に判断する必要があります。
特に液状化は、埋立地や旧河川敷などで発生しやすい現象です。ハザードマップや古地図の情報と照らし合わせながら、地盤の性質を理解していくことが大切です。
大切なのは、「不安だからやめる」ではなく「状況を理解して対策を考える」という姿勢です。
地盤が弱ければ改良を行う、基礎仕様を強化するなど、注文住宅だからこそできる選択肢があります。土地の“本当の強さ”を見極めることが、安心して暮らせる住まいづくりの土台になります。
災害ゼロの土地はない。だからこそ設計で備える
ここまで見てきたように、ハザードマップや古地図、地盤データを確認することで、土地のリスクはある程度見えてきます。
しかし、どれだけ慎重に選んでも“災害が一切起こらない土地”は存在しません。
だからこそ大切なのは、リスクを避けることだけでなく、リスクを前提に「どう備えるか」を考えることです。
そしてそれを実現できるのが、自由設計の注文住宅という選択肢です。
・浸水リスクがあるなら床を上げる
洪水や内水氾濫の可能性があるエリアでは、建物の基礎を高く設定する、玄関ポーチに段差を設けるなどの工夫が有効です。
想定浸水深が50cm程度であれば、床の高さや外構計画を工夫することで被害を軽減できるケースもあります。
「この土地は浸水想定区域だから諦める」ではなく、どの程度のリスクなのかを把握し、それに応じた設計を行うことが重要です。
・土砂災害警戒区域なら建物配置を工夫する
崖地や傾斜地が近い場合は、建物の配置や外構計画を工夫することでリスクを下げることができます。
擁壁の確認や排水計画の見直し、建物をできるだけ斜面から離すなど、敷地全体で考える視点が必要です。
注文住宅であれば、敷地条件を踏まえた最適なレイアウトを一から設計できます。土地と建物を別々に考えるのではなく、“セットで安全性を高める”という発想が大切です。
・地震リスクには構造で対抗する
地震大国である日本において、構造の強さは何より重要です。
ブリリアントホームが採用しているツーバイフォー・ツーバイシックス工法は、壁・床・天井を一体化させた「面」で支える構造が特長です。揺れを建物全体で受け止めることで、地震エネルギーを分散しやすくなります。
さらに、耐震等級や制震対策を組み合わせることで、より安心感のある住まいを実現できます。
・高断熱・高気密は“防災性能”でもある
意外に思われるかもしれませんが、高断熱・高気密住宅は防災の観点でも大きなメリットがあります。
停電が発生した場合でも、室温が急激に下がりにくく、夏の猛暑や冬の寒さから身を守りやすくなります。
在宅避難が長引いた場合でも、快適性を保ちやすい住まいは大きな安心材料になります。
性能の高い住宅は、日常の快適さだけでなく、非常時の安心にもつながるのです。
土地のリスクをゼロにすることはできません。
しかし、設計と性能で“被害を最小限に抑える家”をつくることはできます。
それこそが、注文住宅の大きな魅力のひとつです。
土地選びは「避ける」だけでなく「理解する」こと
土地探しをしていると、「できるだけリスクの少ない土地を」と考えるのは当然です。
しかし現実には、条件の良い土地ほど価格も高く、エリアも限られてしまいます。
だからこそ大切なのは、「避ける」ことだけを目的にするのではなく、「理解したうえで選ぶ」という視点です。
・条件の良い土地は価格も高い
駅に近く、高台で、ハザードマップ上も問題がない——。
こうした条件がそろう土地は、当然ながら人気が高く、価格も上昇しやすい傾向にあります。
限られた予算のなかで土地と建物のバランスを考える場合、すべての条件を満たす土地を見つけるのは簡単ではありません。
・リスクと価格のバランスをどう考えるか
例えば、想定浸水深がごく浅いエリアや、地盤改良で十分に対応できる土地であれば、価格とのバランスを見ながら検討する余地はあります。
重要なのは、「知らなかった」ではなく「理解したうえで判断した」という状態であることです。
ハザードマップ、古地図、地盤データなどを総合的に確認し、リスクの程度を把握する。
そのうえで、必要な対策や追加費用を見込んだ総予算で判断することが、納得感のある土地選びにつながります。
・注文住宅だからこそ“対策込み”で判断できる
建売住宅の場合、土地と建物はすでに完成形として提示されています。
しかし注文住宅であれば、土地の特性に合わせて設計を最適化することが可能です。
- 基礎仕様の強化
- 建物配置の工夫
- 床高の調整
- 排水計画の見直し
こうした対策を前提にすれば、候補となる土地の幅は広がります。
土地の条件を理解し、設計で補うという発想は、注文住宅ならではの強みです。
大切なのは、完璧な土地を探し続けることではなく、自分たちの価値観と予算に合った「納得できる選択」をすること。
理解を深めることが、安心と満足度の高い住まいづくりへの第一歩になります。
ブリリアントホームの土地×設計サポート
土地探しと家づくりは、本来切り離して考えるものではありません。
しかし実際には、「不動産会社で土地を決めてから、建築会社を探す」という流れになり、土地の特性を十分に踏まえないまま設計が進んでしまうケースもあります。
ブリリアントホームでは、土地選びの段階から設計視点でサポートする体制を整えています。
候補地が見つかった時点で、ハザードマップや古地図、法規制、地盤条件などを総合的に確認し、「その土地でどんな家が建てられるのか」「どんな備えが必要か」を具体的にアドバイスします。
・土地選びの段階から相談できる安心感
まだ購入前の土地でもご相談いただければ、建物計画を前提にアドバイスが可能です。
例えば、
- この敷地形状ならどんな間取りが有利か
- 高低差をどう活かすか、どう補うか
- 浸水想定を踏まえた床高さの考え方
- 外構計画まで含めた安全性の確保
こうした検討を事前に行うことで、「買ってから後悔する」というリスクを減らせます。
・地盤・法規・性能を総合的に判断
土地の価値は、価格や立地条件だけでは決まりません。
用途地域や建ぺい率・容積率、高さ制限などの法規条件、そして地盤や周辺環境まで含めて総合的に判断する必要があります。
ブリリアントホームは、北米ツーバイフォー・ツーバイシックス工法による高断熱・高気密の住まいを前提に設計を行います。
土地条件に合わせて構造計画を最適化し、性能とデザインを両立させることが可能です。
・海外住宅のデザイン性と防災性の両立
安全性を重視すると、デザインは妥協しなければならない——。
そう思われがちですが、決してそんなことはありません。
ブリリアントホームは、北米やヨーロッパの住宅様式を取り入れたスタイリッシュで洗練された外観と、構造的な強さを両立させる設計を得意としています。
美しさと安心は、どちらかを選ぶものではなく、両立させるものです。
土地のリスクを正しく理解し、そのうえで設計によって備える。
「土地 × 設計」を一体で考える家づくりこそが、これからの時代に求められる住まいづくりです。
ブリリアントホームは、そのパートナーとして土地選びから丁寧に伴走いたします。
まとめ|「知ること」が、安心への第一歩
自然災害が増えている今、「できるだけ安全な土地を選びたい」と考えるのは当然のことです。
しかし、災害ゼロの土地は存在しません。
大切なのは、ハザードマップを確認して終わりにするのではなく、
- 地名から土地の成り立ちを読み解く
- 古地図で過去の地形を知る
- 地盤データで強さを確認する
- リスクを前提に設計で備える
というように、多角的に理解したうえで判断することです。
そして、その理解を具体的な「安心」に変えられるのが、注文住宅の強みです。
床の高さ、建物配置、構造計画、断熱性能——。設計の自由度があるからこそ、土地の特性に合わせた最適な住まいを実現できます。
土地は「完璧かどうか」で選ぶものではありません。
「理解し、納得し、備えられるかどうか」で選ぶものです。
これから土地を探し、理想の住まいを建てたいとお考えの方は、ぜひ土地と設計を一体で考えてみてください。
ブリリアントホームは、安心とデザイン性を両立させた住まいづくりを、土地選びの段階からサポートいたします。